健康診断で境界型と判定されたら?
糖尿病は、二度以上の検査をして診断するのが原則ですから、二次検査を受けないと、糖尿病かどうかわかりません。
健康診断で、血液による糖代謝の検査で境界型と判定されれば、再検査を受けるよう指示されます。
そこで、再検査で糖尿病と診断されないようにするには、生活改善を始めなくてはなりません。
境界型のうちに見つけて生活習慣の改善を始めれば、糖尿病にならずにすむ人がたくさんいるのです。
日本初め大規根調査゛による最新情報!
血糖値を上手にコントロールするには、食生活や運動などの生活習慣の改善がなによりも効果的です。症状によっては薬も処方されますが、あくまでも補助的なものです。
とはいえ、一度身についた生活習慣を改めるのは難しく、途中であきらめてしまう人が多いのも現実です。しかし、最新の研究で、日本人の場合は、厳しい食事制限や激しい運動ではなく、もっとラクな方法でも効果が期待できることがわかってきました。
その根拠となるのが、日本人の糖尿病患者2000人を対象にした日本初の大規模調査(日本糖尿病臨床介入試験)です。
この調査の中間報告で、次のような新事実が明らかになりました。
日本人の患者には太っている人が少ない。
肥満度(BMI=体重÷身長÷身長)
日本人平均 22.7
糖尿病患者平均 23.1
改善組と悪化組では摂取カロリーに大きな差がなかった。
1日の総摂取カロリー
改善平均 1746kcol
悪化組平均 1759kcol
改善組のほうが悪化組より運動量が多かった。
この結果から、太っていない人が多い日本人患者には、カロリー制限や減量での症状の改善に限界があることがわかりました。また、運動の重要性も改めて確認されました。
これまで、糖尿病治療とは摂取カロリーを減らし、運動をしてひたすら減量することだと強調されてきました。それは、肥満者の多い欧米人患者の研究をもとに考えられた治療法でした。
それが今回の調査によりこれまでの常識が、日本人の多くには必ずしもあてはまらないことが判明したのです。
①朝食は起きたら早めに食べる。
②タ食は早い時間にすませる。
③朝食は抜かずにしっかり食べる。
朝食をとる時刻には、個人差があるので、具体的に何時がよいとはいえませんが、朝食時間を早める指導を受けて血糖値が改善した例は多くあります。
夕食の時間も同様に、時刻までは決められませんが、夕食から朝食まで12時間ほど間をおくのが理想だとされています。
糖尿病の予防、改善のためにはカロリー制限が基本です。ところが、「空腹がつらくて続かない」「食事量を減らしても思うように効果が出ない」といった壁にぶつかるケースも多いようです。
そんな壁を越えるヒントは意外なところにありました。
それは、朝食の時間をいつもより早めるという簡単な方法です。食事量は変えなくても、起きたらあまり時間をおかず、できるだけ早く朝食をとるだけで、血糖値を抑えられるのです。
血糖値は食後に上がり、その後インスリンの働きで徐々に下がるしくみになっています。
ところが起床後に何も食べないままでいると、ある種のホルモンが分泌され、その間の活助平不ルギーを得るために、血液中の糖を増やすように働いてしまうのです。
起床直後は122mg/dlだった血糖値が、1時間後には何も食べていないにも関わらず145mg/dlにまで上昇していました。
こうして血糖値が上がった状態で朝食を食べると、食後はその値からさらに上昇することになります。
ところが、朝食時間を早めにとれば、起床後の血糖値上昇分がないので、1日の血糖値を低く抑えられます(つまり、朝食の時間を変えるだけで、その日1日中ずっとその効果が続くというわけです。
血糖値を上げないためには、朝、昼、夜と3食を均等にとることが基本です。とくに朝食を抜くと、その分昼食、夕食の量が増え、血糖値が高めになりがちです。
朝食をきちんととるためには、夕食を早めに食べることが何より。翌朝すっきりとお腹がすいて、早めの朝食もおいしく食べられるというものです。
夕食の時間は、日々の血糖コントロールにも大きく影響します。夕食が遅かったり、夜食を食べたりすると、夜遅くに血糖値が上昇することになります。しかし、夜遅くなると眠くなるのと同様に、インスリンを分泌するすい臓の活動も弱まってしまいます。そのため、血糖値が下がらず、就寝中も高血糖状態が続くことになるのです。これでは、血管への負担も増えてしまいます。こんな悪影響を防ぐためにも、夕食も早めに食べるほうがよいのです。
また、朝食をしっかりと食べるには、忙しい朝にもパパッと作れる朝食の裏ワザも役立ちます。手間なしで、しかも低カロリーな朝食作りのヒントをセットメニューでご紹介しましょう。